【指導者が陥る罠】呼吸とピラティス 大阪北浜/ ピラティススタジオ進化
指導者が陥る罠 呼吸とピラティス
「ピラティスは呼吸が大事」・・・と、
ピラティスを知っている人は言います。
しかしその人がちゃんと呼吸ができているか?
というと・・・どうでしょう?
知識とイメージだけが先行している感じです。
あなたは自然な呼吸ができていますか?
一度この点について考えてみませんか?
なぜ一番最初に呼吸を行うのか?
なぜクラスの最初に呼吸を行うのですか?
どうしてあなたはクラスの最初に呼吸を入れたのですが?
- 呼吸は基本です
- 基本だから最初にやります
- 呼吸は最初に行いましょうと習ったから行なってます
これらすべて正しいです。
ただ・・・もう一度考えてください。
呼吸を最初に行った理由が明確ですか?
- 呼吸を行うことであなたはどのような効果を引き出したかったのですか。
- 呼吸を行うことでクライアントにどのようになって欲しかったのですか。
- 呼吸を行うことでクライアントに何を感じてほしかったのですか。
クラスの最初に呼吸を行う目的は何だったのでしょうか?
呼吸を行うことで難しいと感じさせていませんか
そもそもクライアントは「呼吸を上手にしたい」と思っているのでしょうか。
呼吸がしやすくなりましたという喜びの声は聞きます。
それは「呼吸が楽になった」ということですね。
胸の辺りが苦しかった。
全身が重かったり締め付けられてるような感じがししていた。
クライアントのゴールと、指導者のゴールのギャップ
「呼吸がしやすくなった」は、クライアントが肉体感覚として求めているゴールです
「呼吸が上手にできる」ことを求めているわけではありません。
クライアントの求めるゴールと、指導者の求めるゴールのギャップがあるのではないでしょうか?
呼吸が上手にできることを求めているのは、
ピラティスをかじっているマニアなんではないでしょうか。
まもちろんこのブログを読んでるあなたはきっとマニアなんだと思います。
もしあなたが呼吸を上手にできるようになるために、
一生懸命に練習してきたのであれば、
クラスで提供している呼吸の方法は、一生懸命呼吸を行う方法だと想像します。
やり方に一生懸命な感じは力を使ったり、頑張るやり方でないでしょうか。
ピラティスってなかなかわからない、ピラティスって難しい。
と言わせてしまっている原因の一つになってはいませんか?
呼吸の役割
呼吸はガス交換行います。
体外に二酸化炭素を排出します。
これは生きていくために必要な営みです。
新鮮な酸素を取り入れ、代謝機能で生成された二酸化炭素を体の外に出す。
これが積極的に行われればあなたの体は常にクリーンだということですね。
別の言い方をすると、呼吸がデトックス効果を生むということです
そしてこの営みを助けてあげるということは決して悪いことではありません。
呼吸の効果
ガス交換を行いながら得られる効果があります。
- デトックス効果
- 内臓のマッサージ
- 血管のマッサージ
- 脊柱の可動を高める
内臓のマッサージ
呼吸に関わる筋肉のひとつは横隔膜です。
横隔膜は肋骨の内側にあり傘のような状態です。
呼吸によってこの筋肉は上下します。
息を吸う➡ 横隔膜が収縮し骨盤方向へ下がります。
息を吐く➡ 横隔膜が弛緩し頭の方向へ上がります。
横隔膜横隔膜の下に、肝臓、胃、腎臓、腸など内臓器官が治っています。
内臓の家のがあって、
横隔膜は天井または屋根のイメージです。
横隔膜の上下が、天井の上下のイメージです。
(屋根が高いと住みやすいね・・・快適だね。
・・・という住宅メーカーのCMもありますね。)
そしてその天井が下がってきたことにより内臓は下へ押し下げられます。
(まるでぬか床の中の漬物状態です)
大きな呼吸をすればするほど、内臓がこねこね混ぜられる。
そうすることにより内臓自身もこねられて、血液循環が良くなります。
例えば・・・
肝臓はアルコール分解のイメージですが。
内臓の守り神的な存在が肝臓です。
肝臓は多くの血液を蓄えています。
肝臓以外の内臓が悪くなった時に、世話焼いてくれるのが肝臓です。
内臓の調子が悪くなった時に、
「私の血液をわけてあげるよ~」と気前よくお世話を焼いてくれるのか肝臓なのです。
その肝臓が呼吸でマッサージされるということは、
内臓の守り主である肝臓をいたわることにもつながります。
内臓=筋肉 です。
内臓という筋肉にマッサージで血液循環を高めるということは、
内臓の状態を高めるということにつながります
直接的に内臓に触らないけれども呼吸によって内臓のマッサージを行う。
それが呼吸デス。
血管のマッサージ
血管もマッサージされます。
横隔膜には穴が開いています。
その穴に何が通るかと言うと、大動脈、大静脈、食道です。
大動脈裂孔、大静脈裂孔、食道裂孔と言って穴があいます。
呼吸による横隔膜の上下は、
その穴を取る食道や静脈動脈の血管をマッサージすることになります。
特に血管をマッサージするということは、血流を高めることにつながります。
大きな呼吸を繰り返していると、
顔が熱くなったり体温が上がった感覚がするのはこの影響が考えられます。
直接的に血管をさするような効果というのは体に大きな影響を与えますね
皮膚の表面をさすることで、毛細血管の血流を促して体が暖かくなりますよね。
体内で中の最も大きな大動脈、そして大静脈を擦るように横隔膜でマッサージするのです。
簡単で効率的でそれも 直接手で触ることなく、座ったままでもできる呼吸。
大きな呼吸をするだけで行えるのですからとても便利ですね。
脊柱の可動を高める
呼吸をすることによって脊柱が動きます。
呼吸に関わる筋肉があれば、呼吸に関わる骨があります。
呼吸によって動く骨は以下のとおり。
鎖骨、肩甲骨、胸骨、肋骨、胸椎、脊柱など
これらの骨が呼吸によって動きます。
大きく影響を受けるのはこれらです。
呼吸をすることにより肋骨が動きその動きに伴い胸椎が動き始めます。
深く大きな呼吸をすればするほどここは大きく影響を受けます。
息を吸うことにより肋骨は横に広がりつつ上に上がり、
吐くことによりしぼみ下に下がります。
肋骨が付着しているのは脊柱の横の部分です
椎体と椎体のあいだに付着しています。
この隙間を空けるこじ開けるような動きが起こります
背骨に隙間を開けるようなイメージです。
深い呼吸により直接的に背骨を動かさずとも、背骨がしなやかに動く効果が得られます。
深く大きな呼吸を行うだけで、以上の効果が得られるならばやらない理由はありませんね。
さて呼吸の役割、効果は理解いただだかましたか?
呼吸だけで、たくさんの素晴らしい効果が得られますね。
呼吸のメリットは、座っていてもできる。
「わざわざエクササイズを行うぞっ」と、
意気込まなくてもどこでもできるのです。
その呼吸を提供する、または自分が練習するにあたり陥る罠があるのですね。
指導が陥りやすい罠
そろそろ本題に入りましょう。
効果満載の呼吸です。
十分に大きくできればさらに効果倍増期待できそうですね。
呼吸の量(ボリューム)
例えば吐く息の音。
- シューっと口元から音が聞こえる。
- ハーっという音が聞こえる。
- 肋骨を意識して息を吐いている
上記の3点が、
意図的な大きな呼吸の目安になっているのではないでしょうか?
これらは吐く息としては間違いないです。
しかしこれに十分な呼吸の量が、
伴っていない場合がほとんどです。
吐く息の音が聞こえてる時、外から見た場合息を吐いているとわかりやすいです。
「私、呼吸を一生懸命にやっています」というアピール度も満載です。
しかしそのアピール度の割に、吐く呼吸の量は少ないのです。
喉元と肺の上に溜められた空気が抜けた程度です。
肺の中に溜められた、たくさんの空気が吐き出されたわけではありません。
吐く息の音が聞こえる時、
肋骨の動きが小さい場合が多く、結果吐いている空気が少ないのです。
呼吸の量が少なければ、
「ガス交換の効果」や
「呼吸にかかわる筋肉の動き」も得られていないということになります。
それでも普段を深い呼吸をすることがないので全く効果がないわけではありません。
ただ十分な量をガス交換行うためには、やはりそれができるような状況が整う必要があるのです。
やってるつもり・・・
これがもっと大きな呼吸になれば、もっと効果が出ます。
大きな呼吸ににするためには、どうしたら良いのでしょう。
呼吸を大きくするために
そこでおちいりやすい罠があります。
呼吸の練習で呼吸を変えようとすることです。
呼吸に限りませんけどね。
(ロールアップのためにロールアップの練習してみたり・・・)
例えば、バレーボールのアタックのパフォーマンスを高める場合。
その場合大きく分けて二つの練習をします。
筋力トレーニング
強いアタックのジャンプ力強化のためのスクワット。
力強くボールを打つために腕肩周りのトレーニング。
その力強さを保つために体幹周りを強化。
などなど・・・
直接ボールを打たないで、強いアタック作り出す要素をトレーニングします。
アタックの動作トレーニング
そしてその強くなった筋肉の動きを統合していきます。
実際にアタックを打つ動作を繰り返し行います。
「飛び上がる」、「伸びる」、「腕を振り上げる」、「振り下ろす」
このような動きの要素の統合を行なっていきます。
「強さを作る要素」と「動きのスムーズさを作る要素」
この二つを分けてトレーニングします。
ピラティスの場合、動きばっかりを一生懸命練習していないでしょうか?
呼吸の練習で呼吸を上手にする。
ということをやっていないか?ということです。
呼吸の質を高め上手にするためには、レッスンの初めの呼吸の練習。
それだけで解決できるわけではないということなのです。
なぜ解決できないのか?
クラスの最初に行うということは、
まだ体が動かない準備ができてないということです。
これから行うクラスの身体と心の準備を目的に行う。
やんわりと体を温める程度ゴール設定ならば間違いはありません。
クラスの初め理想の呼吸のやり方を、
一から十まで要求するというのは所詮無理ということですね。
自然に深く大きな呼吸ができるということが、究極の体だと思います。
仕上がった理想の体でです。
あまり要求しすぎないことも大事ですね。
そして理想の呼吸ができるようになるために、
ありとあらゆる他のエクササイズを使い体を整えていくことの方が早道です。
そうするとエクササイズの捉え方っていうのを変える必要がありますね。
エクササイズの形と名前だけで覚えるのではなく、
実際そのエクササイズがどのような筋肉が使われ、
そしてどのような効果があるのか体で動いて理解する必要があります。
『押してもだめなら引いてみな?』
って、聞いたことないですか?
上手くいかなかったらさっさと、方法を変えることです。
だから呼吸のために呼吸の練習をしない。
ある程度の目的と効果を達成したならば次へ行く。
そこら辺のアレンジ力やアレンジする発想が大事ですね。
呼吸のために呼吸を練習する。ロールアップのためにロールアップを練習する。
そんな形でピラティスを一生懸命教えても、参加者が苦しいいだけですね。
指導者自身が頭を柔らかく、自由な発想を出来るようになる必要がありますね。
そのためには、自分自身の身体を柔らかく変え、
自分自身を変えるために正しく動き、体で感じた経験をレッスンに活かす。
このサイクルに限ります。
身体を作り直す。
勘違いを修正するための勉強をしましょう。
詳しくわかりやすいマットピラティス行います。☟
この記事へのコメントはありません。